方面へ誘うような

今日は少し早めに家を出て会社へ向かった。クロちゃんの家の前に黒い猫が居るのが見えたのだが、サイズが小さいので黒ちびだ。
そろそろ朝ごはんかなと思いつつ近づいていくと、クロちゃんが鳴きながら姿を現した。
ちゃんと朝ごはんを食べに家に戻っているのが確認できたので、よかったと安心したのだが、クロちゃんはいつも撫でている場所へ行こうとする。
今から飼い主が食べ物をくれようかという時刻だし、私は会社へ行かないといけない時刻なのである。なんにしても撫でるのは無理なので、「クロちゃん、バイバイ」と言ってみた。
すると、足を止めこちらを振り返り、口が動いたように見えた。小さい声で「にゃあ」とでも言ったのか、その後でクロちゃん家へと戻ってきて入り口の前で待つ体勢をとる。

さて、その間もキジトラと茶トラが足元をウロウロしており、クロちゃんに「バイバイ」と告げて歩き始めてもついてくるのだった。慕ってくれてるのかと思えて可愛い。
クロちゃん家からかなり離れた場所まで茶トラがついてきたが、他のものに気が向いたらしく途中で姿が見えなくなった。

夜はミケにゃんと仔猫達には会えなかった。どうも9時を回ると会えないようだ。
クロちゃんはいつもの場所で寒い中待っていてくれた。とても嬉しそうではしゃいでるような様子で鳴いている。
とっても寒いのに、毎晩じっと待っていてくれているということに、なんだか感動すら覚える。そして切ない。

いつもよりキャットフードをたくさん食べたので、もしかして晩御飯を貰う時間に家へ戻らなかったのかと思う。
キャットフードの半分はミケにゃんと仔猫達の分だったので、全部は食べさせなかったのだが、それでも2/3はクロちゃんのお腹の中に納まった。なんだかお腹がパンパンに膨れてるみたいな気が...

今日もなんだか落ち着かないクロちゃんをしばらく撫でて、そろそろ帰ろうと立ち上がると、アパート方面へ誘うようなそぶり。
いつも行きたがる理由を考えてみる。正解ではないかもしれないが、もしかしたらクロちゃんが落ち着いて眠れる場所があり、そこで一緒に寝て欲しいのかもしれない。
数ヶ月前まではミケにゃんや仔猫達と一緒に寝てたんだから、1匹だけだと寒いし、なにより寂しいだろう。
そんなこと考えたらまた切ない気分だ。っていうか毎晩切ないじゃないか。