頭の匂いを嗅ぐ

今日は温水器の上で眠っていたらしいクロちゃん。姿を見た時に起きたのか少しぼんやりしているみたいな。
少しして伸びを何度かした後に、温水器の上から降りてどこかへ姿を消した。

ゴミを出しに出て、道に落ちていたゴミを見つけたので拾って持っていた袋に入れ、ゴミ置き場に置いて入り口へと歩いていると、わずかに聞こえる猫の鳴き声。クロちゃんに呼ばれた気がしたので「クロちゃん」と呼んでみる。
すると、今度は大きな声で聞きなれた鳴き声がしてきて、クロちゃんが姿を現した。
いつものように撫でてくれと、いつもの場所で呼ぶクロちゃんを、いつものように撫でていると、いつものようにクロちゃんの口元にヨダレが光った。愛しい猫さん。

撫でていると顔を近づけてくるので、こちらも頭を低くしてクロちゃんの顔に近づける。すると、両前脚を私の頭に伸ばして立ち上がり、頭の匂いを嗅ぐクロちゃん。そういえば、前は髪の毛を噛んでたな。
そんな、なんだか親密な感じのする時間を過ごしていたのだが、「そろそろ帰るね」そう言って立ち上がった。クロちゃんは見上げて白い牙を見せて大きな声で「にゃあ〜ん、にゃあ〜ん」と鳴いて引き止めているかのよう。
お互い別れたくない、離れたくない気持ちなのかなと思うのだが仕事に行かねば。寂しいなあと思いつつ「クロちゃんバイバイ」と手を振ると、あきらめたような顔をした。「また夜にね」「寒いけど、よかったら待っててね」

夜。ミケにゃんと仔猫達のお出迎えは無かった。
少し多めのキャットフードをクロちゃんに差し出して食べ終わるのを待っていると、半分ほど食べたところで止めた。
がっついてないのはやっぱり飼い猫だからだろうなと思い、キャットフードを入れいている容器のフタをして撫でることに。
が、なんとなく落ち着かない様子。いつものようには甘えてこない。いったいどうしたんだろうかと思いつつ、それなりに撫でた後で「バイバイ」。
朝のようにヨダレをたらすほどではなかったので、なにかあったのかなと少し気になった。