飼い猫なのに

朝。起きるとすぐに窓を開けて、クロちゃんがあの温水器の上に居るかを確認している近頃。そして今日も丸まってるクロちゃんが。
窓を開けっ放しにして見ているわけにもいかないにで、時々窓を開けては見ているのだが、そこで過ごすのは辺りが暗い間だけのようだ。温水器の上って温かいのか、寒さをしのぎでそこに寝ているように思える。
白々と夜が明けてくると姿を消すのだが、飼い主が朝ごはんをくれるタイミングを計って家に帰っているのだろう。飼い主が居ればミケにゃんに追われることもないし。

クロちゃんの家では猫を外で飼っていて避妊も去勢もしていない。当然、ミケにゃんは毎年仔猫を生み、成長すると親離れさせようとする。なのでクロちゃんが家に近づくと、母猫ミケにゃんはバシッとどつく。さらに腹違いの小さい兄弟とは仲が悪いというわけではなさそうなのだが、まとわりつかれるのがちょっとうっとうしいらしい。たまにまとわりつかれて嫌がっている姿を見る。
そんなわけで、昔のようにミケにゃんと2匹でまったりとした生活もできず、一人寂しく寒い空の下で眠る毎日となってしったクロちゃん。一応、飼い猫なので食べ物に困ってはいないが、飼い猫なのに家で暖かく安心して眠ることができない。野良猫に近い生活ぶりだ。

夜。今日もミケにゃんと仔猫達の出迎えを受けた。そしてキャットフードを貢ぐ。おいしそうにカリカリという音を立てて食べている仔猫の背中を少し撫でて、クロちゃんの待っている場所へ小走りに。
クロちゃんもいつものように「にゃあっ、あっ、あっ」という鳴き声で迎えてくれた。
キャットフードを食べ終わってから落ち着いて撫でなでタイム。今日もヒザの上に乗ってくれたけど、ちょっと落ち着かなかったみたいで長くはくれなかった。
「それじゃあね」「ばいばい」