明るい時間帯に

昨日の夜はクロちゃんに会えず、寂しい気持ちのまま就寝した。
天気のいい日曜日。お昼ごろに買い物に出た。
クロちゃん家が近づくと、家の前にキジトラがちんまり座って空を見上げていた。なにを見てるのかなと思いつつ近づいていくと、こちらに気づいて奥へ隠れようと走った。
夜だと足元に駆け寄ってきて高い声で「にゃあん」と鳴くのに、明るいと同じ人間だと認識してもらえてない様子。前まで行くとこちらをじっと見つめている。「にゃんにゃん」と声をかけながら手を差し出してみる。
少し眠たげな顔をしたけど、やっぱり警戒しているのかただ見つめるばかりで駆け寄って来てくれそうにない。いつまでもそこに居るわけにはいかないので、「バイバイ」と言って出かけた。

一時間ほど過ぎた頃、たくさんの荷物を持って再びクロちゃん家の前を通ったときは、ミケにゃんが眠たそうにして見ていたので、「ミケにゃん」と一言声をかけて通り過ぎた。

マンションのドアを開けて一歩入ったとき、どこからか「にゃっ」という猫の小さい鳴き声が聞こえた、ような気がした。
一度入ったドアから外へと出て、もしかしたらと期待しながら「にゃんにゃん、クロちゃん」と呼んでみると、駐車車両の下から少し警戒するようにクロちゃんが姿を現した。
「にゃあっ」「あっ」「にゃっ」としきりに鳴いているクロちゃんに、「クロちゃん、どうしたの?」と問いかけた。
夜なら不思議には思わないけど、今は昼過ぎ。明るい時間帯に待っていてくれているとは思いがけないことだった。
そのことはとてもうれしいと思ったのだが、両手には買ってきた荷物があり撫でることは難しい状態。せっかく会えたのに寂しいなあと思いつつ、「また今度」「夜に待っていてね」と話かけて別れた。

夕方過ぎに一時間ほど出掛け、戻るときにはクロちゃんをたっぷり撫でることができると期待していたのだが、会うことはできなかった。この夜はミケにゃんにも仔猫達にも会えなかった。