仲のいい親子だし

朝。新聞を取りに行って、ミケにゃんの仔猫を見に行った。
食後のようで、眠たげにした仔猫とミケにゃんが寄り添ってまったりとしている。
少しだけ見てから帰ろうと立ち上がって家の方を見ると、少し離れた道端にクロちゃんが居た。
声をかけると「にゃ〜〜」「にゃ〜ぁ〜ぁん」と鳴いて擦り寄ってきた。
いつも撫でているところまで移動して撫でなで。じっくり撫でて帰ろうとすると、「にゃ〜ぁ」「にゃ〜」と鳴いて帰りづらかった。
新聞を家に置いてからまた少し撫でた。


夜。めずらしくクロちゃんはクロちゃん家からミケにゃんと現れた。そこでクロちゃん、ミケにゃん、仔猫達にキャットフードを食べさせる。
キャットフードを出してやると、クロちゃんがすごい勢いで食はじめた。他の仔は遠慮ぎみに匂いを嗅いだりしているので、食べれるように容器から取り出してそれぞれの前に置いていると、はしからどんどんと食べていく。しまいにはキャットフードを置こうとしている手から直接食べ始めた。
晩御飯は食べていないのか? そうだとすると、ミケにゃんはクロちゃんが食事時間以外に帰ってくるのはかまわないと思っているのかも。
もともと仲のいい親子だし、喧嘩することもなく食べている姿に少し安心した。家に帰ることができるのなら、冬の寒空に凍えることはないだろうと。

持っていたキャットフードを全部振舞って、すっかり食べ終わったらミケにゃんも仔猫も水を飲んだりして、こちらには興味をなくしたようだ。
クロちゃんだけが「にゃぁん」と何度も鳴いて、いつも撫でている場所へ行こうと誘う。

そこでしばらく撫でていたけれど、家に帰れた安心感なのか落ち着いた様子で、いつものように「にゃぁぁぁん」としきりに鳴いて擦り寄ってこないし、撫でるのを止めて立ち上がっても、いつもなら長鳴きをして引き止めるようなそぶりをするのに、今日は以外にあっさりしていた。
少し寂しい気もするけど、私の猫でもないのにあんまりにも親密になりすぎていると思っていたので、この方がいいのだと思う。