カメラの水難

恋人と銀杏

毎週、土日は夫婦で撮影に出かけているのだが、土曜日に思いがけないことを起こしてしまった。

それは紅葉などを撮影しようと山へ向かっている道中のこと。
渓流での景色を撮影しようと途中で車を止め、川へ降りて撮影しているときに一羽の鴨を見つけたことが事の起こり。
鴨を撮影したくて向こう岸へと石を渡っていると、足を乗せた石がガクンと動き、あっと思ったときは水の中で四つんばいになっていて、膝には激痛が走り、右手に持っていたカメラが冷たい水の中へ沈んでいた。
慌ててカメラを持ち上げ立ち上がったが、膝の痛みとジンジンとする冷たさですぐには動けなかった。

痛みを我慢してなんとか川を渡ったが、カメラが水に沈んだショックで頭が真っ白。
そして、とにかく膝が痛くて口から出る言葉は「痛い、痛い」のみ。
そんな様子なので、心配した旦那が靴もパンツの裾も濡らしながら川を渡って来てくれた。

とにかくカメラの水を取り除かなければと思い、ハンカチを取り出してカメラを拭いてみる。
途中からは旦那がカメラをハンカチで拭いてくれて、電池とメディアを取り外してくれた。

少しして落ち着いたので、車に戻るため再び靴とパンツの裾を濡らしながら、冷たい川をザブザブ渡った。
膝が痛いので、バランスを崩してコケそうで怖かったが、なんとか渡りきりホッとする。
ちなみに、カメラは旦那が持って渡ってくれた。

車の後部を開けてそこに座り、靴の水を捨てたり靴下を絞ったりしながら、どのくらい濡れたのかを確認してみる。
四つんばいで水に浸かったが、上半身は撥水性がある上着を着ていたおかげで、袖口が湿っている程度ですんだ。
ショルダーバッグも外側が濡れただけで、それも水をふき取ったら元通りとなった。
膝上から足先までは水が滴るほど濡れたが、その程度ですんだのは幸運だった。

その日の午前中にそんなことがあったので、一旦家に帰ることにした訳である。
帰り道で旦那に謝ることしきり。

しかし、それで懲りることもなく、両膝が痛いと言いながら、午後に再び出かけてコンデジで撮影を楽しんだのだった。

そして日曜日。
今日はどきどきしながらカメラの電源を入れてみた。ほっとしたことに故障してなかった。
フラッシュの部分に小さな擦り傷ができたことと、レンズフィルターの縁が曲がってレンズから外れなくなってはいたが、その程度で済んでよかった。

さっそく紅葉撮影に出かけたり、帰りに靴を買ったりと、なんだかんだで家に帰ったのは夜の10時頃。ちょっと疲れた。