名残おしい気持ち

少し歩いてまた振り返ってみたら、やっぱりこちらをじっと見ている。 おおっ、こんなに熱心にお見送りしてくれるなんてと、嬉しく思いながら歩いていると、今度は「にゃぁあ」と呼ばれてしまった。 振り返ると、やっぱりこちらをじっと見ている。
戻って撫でてやりたい気持ちになったが、そうもしていられないので、何度も振り返りながら久万さん家へと歩いていく。
さすがにかなり離れると毛づくろいを始め、戻ってこなかった自分のことなど忘れたっていう様子。 ちょっとだけ淋しい気持ちになったが、熱烈に猫に慕われて暖かい気持ちが残った。